エッセンスアップ!〜ひとそれぞれの本来の輝きを。
きらきらと輝くというのは、こういう人のことを言うのだ、と素直に納得してしまう。迎えてくれたのは、美人姉妹のユウコさんとエイコさん。姉妹で「なごみ屋」という、ヒーリングと天然石アクセサリーのお店を経営して8年になる。
お二人は、共通の理念と共通のお店の入り口を持ちながらも、別々の手法で商品やサービスを提供している。姉のユウコさんは、セラピストとしてお店でのセラピーや個人セッション、そのほかにも研修やワークショップのファシリテーター事業を担い、妹のエイコさんは天然石やアクセサリーのオーダーメイドの製作と販売を手がけている。
二人がそれぞれの輝きを放って見えるのは、身に付けている天然石や外見の美しさのためだけではない。人が本来持つ輝きを解き放つお手伝いをしているからだろうか、自らを研磨材にすることで自らも輝いていくように、内からあふれてくる輝きだ。
そんな二人が一緒にお店を始めたのは99年7月。当時、天然石が二人のキーワードだった。ユウコさんは、スキルを身に付けてセラピストになるという想いを持って、アメリカのヒーリングの学校に4年間通い、その過程で天然石を使ったセラピーも習得していた。妹のエイコさんはもともとアクセサリーを作ることが好きで、ユウコさんを通じて天然石の魅力を知るようになった。
「なんとなく一緒にやってもいいのかな、と」姉妹共同のお店をイメージするようになったのは、とても自然ななりゆきだったそうだ。
姉妹の店づくり
幸い、ほとんど家賃のいらない古民家を実家の近くで借りることができた。内装も自分たちで好きなように変えて、当時は珍しい天然石をキーワードにしたお店がスタートした。それでも最初は、別のアルバイトもしながら口コミでのお客様を待つ「趣味の館だった」という。
それだけで商売が成り立つはずがない、という周囲の声を背中に、手探りでお店を続けた。癒しをテーマにしたイベントやフリーマーケットでのPR、そして口コミの広がりで徐々にお客様が増え、ケーブルテレビをきっかけに取材が入るようになる。
1年半後、事情で古民家を出なければならなくなった頃には、顧客名簿という財産と新しいお店を立ち上げられるだけの資金ができていた。二人でこのお店をやっていく、と決めたのもこの時だった。
外交的でイベントも大好きなユウコさんと、繊細で1対1が好きというエイコさん。それぞれに経営に必要な役割をこなしながら、あうんの呼吸にみえる二人だが、ビジネスの場面で肉親ならではの喧嘩になることはないのだろうか。
「それはありますよ(笑)」口を揃える二人。年齢が4歳離れていて、小さい頃から喧嘩は少なかった。今もプライベートで喧嘩をすることはなく、言い争いになるのはむしろ仕事のことだという。「私のお客様に、あの口の利き方はどうなの」とお店での接客時の言葉づかいを注意したり、お客様の不満の原因を指摘するなど、互いに遠慮なく言い争うときが、月1回くらいのペースであるそうだ。
だがすべては、「お店を良くしよう」と思うがゆえの言い争い。より良いサービスのためにこうしたほうがいいのに、と思うことを「姉妹だからわだかまりなく言えることが大きいし、後に残らず前を向ける」という。
腹が据わった
ただ、姉妹だからこそ困っていることもある。同じ店内で、違う商品サービスを扱っているので、客観的なアドバイスやコメントが得られるかと言えば、実はそうではない。同じ環境で育った姉妹なので、お互いの好みや嗜好に慣れ、気づくことも一緒。新鮮な気づきや助言としては物足りないのだそうだ。
そこで、起業支援ネットにコンサルタントの依頼をする。この先もずっとこのお店で食べていく、と腹を据えた1年半ほど前のことだ。月1回定期的に副代表理事の鈴木が訪問し、客観的で専門的な指摘も交えたミーティングをするようになった。
ミーティングによって、困難に直面する前に手が打てるようになった。たとえば今までのように、予約がぱったりと止まったときに「人気がなくなったのかな」と漠然とした不安に駆られたり、「そういえば春なのにお店が春らしくない」とあわてて原因を考え手探りで改善することがなくなった。また、値札の金額を手書きからタイプに変えたら高級感が出たなど、ささやかなことでも二人が意識していなかったところに改善を取り入れていった。
売り上げは、検証や改善に伴って伸びていく。「大きな問題に発展する前に予防でき、前向きに良いサービスが考えられている証拠だと思う」とユウコさん。
実はそれまで二人とも、積極的な営業には抵抗があった。新商品の入荷があっても、特定のお客様に営業をすることはなかった。だが腹を据えてからは、その迷いを吹っ切る。
「売りつけていると思われるんじゃないか」という自信のない気持ちを突き抜けることができた。どちらかといえば人にどう思われるかを気にするタイプのエイコさんの方が先にこの壁を突き抜けて、「入荷したからお知らせしたいひと」「高くてもふさわしいと思うもの」があれば、電話やお店で自分の信じることを提案できるようになる。横にいるユウコさんもその様子に倣い、クライアントに「その人に必要なセッション回数」を提案していけるようになったそうだ。
女性のエッセンスアップが楽しい!
「自分は本当は何がしたいんだろうと考えたとき、エッセンスアップという言葉がとてもしっくりしたんです」とエイコさん。アクセサリーを製作するのはもちろん好きだけれど、それだけではない言葉にならない想いがあったのだろう。それぞれの人にそれぞれの輝きがあって、その「エッセンス=本質」を石やアクセサリーによってアップするお手伝いが、自分の天命なのだとわかったと、丁寧に言葉を綴りながら教えてくれた。
「エッセンスアップが楽しい!」と迷いやためらいのないエイコさんの言葉にユウコさんがほほえむ。ユウコさんは、今度大学院に入学し臨床心理士の資格を目指す。二人がそれぞれの方法で、人々のエッセンス磨きと自分磨きを重ねるお店。4歳年下のエイコさんの言葉が風に踊った。「ユウちゃん、ついてきてね」
取材・文/西井勢津子 写真/松原雅人(ケア・プラン)
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